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次世代DVD規格統一交渉決裂にみる独禁法の影響(1)

2005年06月03日 投稿者 S.W : 2005年06月03日 22:07

こんばんは。
昨日はかつてのクライアント企業の取締役との会食があった為、更新できませんでした。ごめんなさい。
お客様から『ブログ、読んでるよ』と言われると顔から火が出るおもいです。
お客様とは、次世代DVD市場の話をしていたのですが、当然、先日の規格統一交渉の話も出たので、概略を書きます。


先月の15日に東芝(HDD DVD)とソニー・松下(ブルーレイ)との規格統一交渉が決裂しました。
技術的には記録層の深さが浅いブルーレイ(0・1ミリ)がHDD DVD(0.6ミリ)を再生・録画容量共に上回るため、優れた技術といえます。
ブルーレイの再生・録画容量はともに25ギガバイトであるのに対してHDDDVDは15ギガバイトです。
今後のハイビジョンの録画には大容量技術は不可避であったのですが、東芝側は技術的な歩留まりに拘っていました。


しかし、これは説得力にかける意見です。
確かに、利幅の少ないメーカー、それも高付加価値のメーカーともなると、歩留まりの僅かな差が利益に直接影響を与えます。
正直な話、いくらコンサルティングファームがサプライ・チェーンの構築に躍起になっても、歩留まり改善のメリットに較べると霞んでしまいます。

しかし東芝、特に当該事業部がアップルのI pod(初代)に提供した1.8インチのHDD歩留まりは当初劣悪で、試作段階では一桁のものもありました。
これは、どのメーカーでも同じようなものであると思います。
サンプルロット・初期ロットの値が低いことなど当然の話なのです。
東芝は歩留まり情報を盾にとって統一規格を今回は見合わせました。条件としては相当の好条件をソニー・松下連合から提示されたにも関わらずです。

もし、これが事実なら技術屋の意見で決定されたことになります。勿論、技術が大事なのは否定しませんが、もっと営業戦略等を踏まえた視点で検討すべきだと思います。
幸い、東芝側は必要に応じて統一交渉に臨む姿勢を見せています。統一するなら早い段階の方が消費者に迷惑をかけることなく、企業イメージも傷つかないですみます。

東芝側が真に拘ったのは、もう一つの理由である独占禁止法だと思います。
これについては次回書きますね。

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