シュルツ・ベルガー ジャパン お勧め書籍
「投資の世界で氾濫する情報に流されず、株式投資で勝ち抜くには?」
よくこんな質問をお客様から受けることがあります。もちろん個人投資家の皆様は日々投資のみを生業にしている訳ではないですから、投資情報の取捨選択をすることは難しいですよね。
私どもも日々仕事を通してはもちろんのこと、勉強することで知識の体系化を行っています。時間がない皆様が効率的に知識の体系化を自分で行うことができるようになるには”悪書”ではなく、”良書”を読むことが効率的です。
ブログ愛読者様からのリクエストが多かったので、ご要望にお応えして良書を紹介します。
『十分な知識によって、心の平静と自信を身につけること。せっかちも頑固もいけない。』 ウォーレン・バフェット
お勧め書籍(株式投資一般)
オニールの成長株発掘法 - 良い時も悪い時も儲かる銘柄選択をするために
ウィリアム オニール, 竹内 和巳, 松本 幸子, 増沢 和美, William J. O'Neil
投資期間、分散投資、空売りなどの善し悪し、オプション、店頭銘柄など、株式投資にかかわるあらゆるトピックを網羅されています。
私達の業務で確認・遂行している変数とは較べられないのですが、未読の方は投資の基本として押さえておきたい良書。
グリーンブラット投資法 - M&A、企業分割、倒産、リストラは宝の山
ジョエル・グリーンブラット, 奥脇 省三
ジョエル・グリーンブラットは企業分割やM&Aによって発生する企業価値評価の歪みを衝いて投資する方法で、中級者向けの投資法といえます。
この図書を勧める理由は、詳細なケーススタディとグリーンブラットのユーモアによって読者に判り易く解説している点です。
私はポートフォリオ全てを彼の投資法銘柄で埋めるべきではないと思いますが、5銘柄の内1つくらいは、スパイスとして彼のアプローチを試されるのも一興かと思います。
バフェット投資の王道
ロバート・P・マイルズ, 三原 淳雄, 小野 一郎
バフェット系だと、『手紙』や『バリュー株投資入門』が有名なのですが、個人的にはこの本も好きです。バフェット個人にも詳しく書かれています。
バフェットが、IT産業に投資しないが実はビル・ゲイツとネットでブリッジをやっていることや、少年時代の経験、そして野球に関わるエピソードなどを愛情の篭もった筆致で描かれています。
そういう点もあって読み易く、かつ各章ごとに要点も再掲されているので、飽きっぽい方にもオススメです。
新賢明なる投資家 上~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付き》
ベンジャミン・グレアム, ジェイソン・ツバイク, 増沢 和美, 新美 美葉, 塩野 未佳
私は解説なし版を読んでいたのですが、ツバイクの解説版の方がオススメです。上下2冊ありますし、財務諸表編もあって、量はそこそこありますが、読んで損は無いどころか、有益な情報を与えてくれるでしょう。
投資指南書として繰り返し読まれることをお勧めします。
お勧め書籍(その他/気軽に読めるもの)
社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
板倉 雄一郎
著者の板倉氏は現在コンサルタントとして復帰されていますが、その昔、ハイパーネットという会社を興されていました。この本はハイパーネット社崩壊への道程を克明に描いたものです。
先駆的な本に『シリコンバレー・アドヴェンチャー』(ジュリー・カプラン著)がありますが、それの日本版といったところでしょうか。
新興IT企業は、上場しているか否かに関わらず、表面上は華々しく見えても、実際の経営は崖っぷちということがままあります。これは、そのような実態を肌で感じることの出来る名著だと思います。
弊社の法人クライアントにおかれても、この本のファンは多いです。
株価というものが畢竟、企業の評価の一側面であるとするならば、このような書物から企業経営の洞察力を鍛えるのも一法かと存じます。
ニッポン経営者列伝 嗚呼、香ばしき人々
山本 一郎
個人投資家であり、経営者ウォッチャーである山本氏の本です。
本人のキャラにより何かとイロモノ扱いされていますが、洞察力や企業を見抜く目利きの力は相当なものです。
経営者がダメでも番頭格の人間が確りしていれば問題ないのですが、この本ではキャラのたっている経営者を紹介しています。
文体に癖がありますが、普段なじみのない経営者という存在に興味を持たせる、隠れた良書であると思います。
美人(ブス)投票入門
山本 一郎
今回は笑いながら読める図書を。株売買は美人投票と同じだといいますよね。
『やってはいけない』投資を判りやすく、独特の調子で記述しています。当本が丸石自転車の『退場』の前に書かれていることから、丸石の件と照らし合わせてみると氏の記述が正鵠を射ていることを理解できると思います。