お勧め図書紹介

2014年04月27日  投稿者 半蔵 : 23:11

パルナッソス株式会社代表の宮島秀直氏による著書。
外国人投資家の発言を多く紹介し、特定の一個人のポジショントークではなく、広く外国人投資家が何を考えているかに迫る良書。
無論、初版(2013年9月)より年月が経っているので、そのまま自身の投資に活用することはお勧めしないが、どのようなアプローチで銘柄を選別しているかを知るには参考になると思われる。

特に、彼ら外国人投資家がどのような情報を基に判断をしているか、そのソースを一般の読者にも確認することができるので、一読をお勧めしたい。

不動産関連銘柄のレポートを配布しました

2012年05月09日  投稿者 sb_adm : 02:31

SchelzBergerJAPAN投資顧問
東京都心5区のオフィス空室率は9%程度と依然高水準であるものの、今年のオフィススペースの大量供給に対しての成約に目処がたったことにより、オフィス市況は底打ち感が強まっています。
日銀のインフレ目標を考慮すると、既に損失処理が一巡している各社の保有不動産価値が反転に出ることも期待されます。(オフィス空室率が低下してから、賃料が上昇する為、この期待の実現には相応の時間がかかりそうですが。。)

弊社では、今年の注目セクターとして不動産関連を扱っておりますが、この時点で弊社の展望を整理したものを既会員向けに作成・配布致します。

現在、株式市場全体にリスクオフの機運が高まっているので、直近は買いに 動くのは控えた方が良いとの見解ですが、反転を素早く捉える為にも、今後の研究の一助となれば幸いです。

 

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『コモディティ』化進行企業を見極める(補足 ミクシィの場合)

2006年09月19日  投稿者 K : 09:19

株式投資のヒント今日は『コモディティ』化進行企業を見極めるの補足として、どのような観点で企業を評価するべきか一つの考え方を紹介したいと思います。

まず初めに、その企業のバリュエーションから評価することは大前提なのですが、当該企業が企業から成長期のステージにある場合は今後の成長性を見極めることが重要となります。

今回は先日上場を果たした【2121】ミクシィを例に取り上げて説明します。

■ 【2121】ミクシィのビジネスとその目論見

現在のところ、ミクシィは二つのビジネスによって成り立っています。


・インターネットメディア事業
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)国内最大手であり、SNS「ミクシィ」が会員500万人超(06年夏時点)の会員数を持ち、そこでの広告収入とプレミアム会員収入が収益となります。

・インターネット求人広告事業
求人サイト『Find job』を運営。求人企業からの掲載料の支払いが収益源となります。

上記ビジネスの内、投資家の皆さんが注目しているのは、ミクシィ会員数の伸び(530万会員以上)であり、同社と同様なビジネスモデルを持つ会社も存在しているものの会員数で圧倒的な存在となっている点ではないでしょうか。これは、SNSの性格上、コンテンツや登録者数の少ないSNSへユーザが移行することは考えづらく、まさに先行者利益が確保されているビジネスモデルであることも注目を博しているポイントになります。

MIXI 登録者/PV推移  

上図はミクシィの登録者数とページビュー数(ネットレーティング社)の推移であり、安定的に増加しています。また、米国のSNSサイト『MySpace』でも2005年6月から2006年6月の1年間に1600万人から4600万人と利用者数を伸ばしていることからも他国でも実証されたビジネスモデルであることが分かります。

MIXI 利用者数シェア  
上図はミクシィの総ページビュー数におけるシェア(ネットレーティング社)の推移です。1位ヤフー、2位楽天に次ぐ順位であり、2004年のミクシィ立ち上げから2年弱で3位へ上り詰めたことになります。
収益の源泉が広告事業ですから、広告の単価となるPV数の増加(利用者の増加)は広告収入の増加を意味します。

ここまでを纏めると、以下のことが分かります。

  • 参入障壁が高く、優れたビジネスモデルを有していること
  • 利用者数も安定的に伸びており、その成長性は米国『MySpace』でも実証されている

まずは、インターネットで公開されている情報からでも、その企業のビジネスと競合他社などの状況を確認することができます。

■ 【2121】ミクシィの成長性は維持できるのか?

上記だけを見ると、ミクシィは将来性がある、大変有望な企業であることが分かります。

それではリスクはないのでしょうか?次はリスクについて見てみましょう。

  • 広告事業とSNSの親和性
    上記でも説明したように、広告事業であることから、PVの多さが広告料金に反映されます。従って、今後もPV数が伸びてゆけば広告料収入は伸びていきます。しかし、SNSの性格上、検索サイトと違って、同一人物が複数のページを参照することが多い為、クリックレートが落ちることが考えられます。クリックレートとは広告(バナー等)を表示した数に対してどの程度利用者が広告(バナー等)をクリックしたかであり、表示数が多くてもクリックレートが低ければ、広告の影響力がないと判断され、広告料収入も停滞してしまう可能性があります。
     
  • ネット広告業界の停滞
    最近のヤフーや【4788】サイバー・コミュニケーションズなどの広告売上予想を見るとネット広告の売上が鈍化してくることが判明しており、広告事業を主な収益源としているミクシィに関しても、今すぐではなくとも、何年後かには売上が鈍化する可能性があります。
     

上記のように、優れたビジネスモデルをもっていても、一方でリスクを抱えていることもわかります。ですから、当該企業/競合他社のビジネスモデルの優位性とリスクを天秤にかけて吟味する必要があります。

ミクシィも今回IPOで資金を手にしたわけですから、IPOで得た資金を活用し、利用者情報を元に、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)としてユーザのプロファイルにあった広告を出力し、クリックレートを上げる手立てを講じてくるかもしれません。また、同様にプロファイル情報との紐付けを行うことによって、ユーザと親和性の高い商品を販売するEC事業にも進出するかもしれません。
確かに、このような事業展開ができる基盤をもった企業であることは確かでしょう。

しかし、将来どのような変化が起こるかは判断しにくいものです。上記のリスクが顕在化した場合、PER300倍の企業である以上、成長性に陰りが見えた瞬間に株価は暴落することになるのではないでしょうか。

■ 投資家としての判断基準

今回はミクシィの例を出しましたが、優れたビジネスモデルを持っていても、常にリスクがあることが分かると思います。それでは投資家はどのように考えるべきなのでしょうか。

株式投資の場合、企業の業績予測に関して、その成長過程が”急”であればあるほど、期待収益率が高くなります。
従って、投下資本利益率に関して急速に向上すると予測されている中で、「急成長」の業績予測が現実的であり、その急成長にリスクを感じないのであれば、投資するといった判断に行き着きます。今回これだけ人気化してしまっているミクシィの場合はリスクよりも今後の成長性がより強く反映した株価になってしまっているのではないでしょうか。そのように判断できるのであれば、投資対象としての甘みは今のところないと判断した方がよいでしょう。

結局のところ、現在株価がリスクを許容できるほどの株価であるかを今後の成長性と天秤にかけて判断するしかないのです。

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『コモディティ』化進行企業を見極める

2006年09月04日  投稿者 K : 09:12

株式投資のヒント今日は久しぶりになりますが、『株式投資のヒント』として、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が運営する基金に3兆円を寄付することを発表したウォーレン・バフェット氏の言葉から銘柄選択について学んでいきたいと思います。

ウォーレン・バフェット氏の投資銘柄の選択方法として有名になりましたが、『コモディティ』型企業には投資するな、というものがあります。

コモディティ企業とは、航空会社や電気・ガスなどの企業が上げられますが、既に商品やサービスそのものに優位性を持たず、消費者が値段によってのみ判断をするような商品を扱っている企業のことを指します。

■ コモディティ型企業への投資はすべきではないのか?

確かに、一般論としては正しいでしょう。
コモディティ企業は、商品・サービスでの特徴が出せない為、競合他社が参入してきた場合 、基本的には価格の値下げで対応することでしか優位性を保つことができません。
その結果、売上高に対する利益率は低くなり、株主資本利益率(ROE)の低下を招きます。
また、競合他社が増えることにより、市場は供給過剰の方向に流れ、当該市場での成長性も鈍化してくることが考えられます。

例えば、【4689】ヤフー、【4835】インデックス・ホールディングス、【9501】東京電力 の過去5年間のROEを比較してみましょう。この中では【9501】東京電力がコモディティ企業と言えるでしょう。
 

ROE比較 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
【4689】ヤフー 30.20% 47.70% 55.00% 46.90% 39.50%
【4835】インデックス 9.30% 14.20% 18.50% -130.70% 17.40%
【9501】東京電力 9.60% 7.50% 6.50% 9.30% 11.80%

ROE比較  

【9501】東京電力のROEは、 電力会社の平均ROEである4.2%と比べると高いROEをキープしているものの、【4689】ヤフー、【4835】インデックスと比べると低いことが分かります。
東京電力は、通信事業展開による収益源の多様化、人員削減によって電力会社の中では成長性を維持している為、単純にコモディティ型企業であると言い切ることができませんが、上図だけを見ると、ヤフーやインデックス・ホールディングスへの投資を考えた方が魅力的です。

それでは過去3年間の上記3社の株価の変化率を見てみましょう。

株価比較  
赤線・・・ 【4835】インデックス
青線・・・ 【4689】ヤフー
緑線・・・ 【9501】東京電力

上図を見ると、一時点では【4835】インデックス・ホールディングスのパフォーマンスが250%を記録していますが、現時点では3年前の株価水準であり、かなりのボラティリティを持っていることが分かります。【4689】ヤフーに関しても株式分割などの影響はありますが、同様にボラティリティがあり、投資タイミング次第では大きな損益を出してしまうことが分かります。このような成長性が見込まれる企業の場合、業績予想やニュースなどに敏感に反応してしまうのです。

一方で、【9501】東京電力に関しては、地合の影響、低金利からのインカムゲインを狙った株式への資金流入の影響などもありますが、株価の推移は安定して上昇しています。
これは一般的にコモディティ型の業種と言われる電力会社であっても、一括りで投資判断できないことを示しています。

コモディティ企業はROEが低下し、競合企業の参入によって業績も変化してしまう為、利益の変化が激しいと言われますが、東京電力はこれに該当していません。もちろんコモディティ企業への投資は株価と投資のタイミングにもよりますが、避けるべきです。但し、大事なことは、コモディティ企業と盲目的に信じてしまうのではなく、本当に他事業への展開など成長性がないのか、他事業への展開力がないのかを見極めることが重要なのです。

■ 成長性が見込まれる企業への投資のカギ

それでは、ヤフーなど成長性が見込まれる企業への投資は良くない選択なのでしょうか?

ヤフーのROE推移を見ると、ROEは鈍化していますが、30%以上をキープしており、その点をみれば優良企業であると言えます。
しかし、投資においては、投資時点の株価に対して株価が割安であるか、将来に渡って予想される成長性が維持できるのかが重要であることは言うまでもありません。
ヤフーやインデックス・ホールディングスの例を見るまでもありませんが、新興企業など高PERが許容されるような企業の場合、成長性の鈍化、業界の先行きに対する見通しの変化に敏感に反応してしまうのです。

例えば、ITバブルのころはECサイト構築に数億円の費用がかかりました。それでは現状ではどうでしょうか?もちろんどの程度の機能をもたせるかにもよりますが、数十万円~数百万円で構築できるでしょう。これはコモディティ化が進んだ結果であると言うことができます。


昨今では、【3793】ドリコムが上場を果たし、ブログ人気も絡んで、人気化しました。上場当初に比べると株価が下落したにも関わらず、現時点でも300倍以上のPERを維持しています。
それでは今後もPER300倍を許容できる成長性を維持できると言えるでしょうか。
特にIT企業に多い傾向ですが、IT技術の進歩は早く、他の技術に消費者が移らないビジネスモデルを持たない場合、価格競争の波に打ち勝つことは難しいでしょう。
ドリコムの場合も新しい商品の開発などブログシステムでのライセンス料ビジネス以外に目を向けていかないと淘汰されてしまう可能性もあるのではないでしょうか。

ITバブル時代の勝ち組であった楽天もECサイトからの収益モデルから金融事業からの収益モデルへの転換があったからこそ、今日があるということを忘れるべきではありません。
また、先日、Amazonはサイトでのサプリメント、化粧品などの販売を開始することを発表しましたが、ECサイトでのサプリメントや化粧品を販売している企業はどのように対応してゆくのでしょうか?今まで磐石と思われた企業であってもAmazonのような巨大企業が参入することにより、コモディティ化が進んでしまうのです。

特に成長性を重視した株式投資をする場合、どのようなビジネスモデルをもっていて、そのビジネスモデルが他社参入の影響を受けないものなのか?競争力をもっているものなのか?他の事業領域に移ってゆける柔軟性を持ったきぎょうなのか?そこを見極める目を持つことが重要になってきます。

その企業がどういったビジネスモデルを持ち、そのサービス・商品が競争力があるのかを、冷静に見る”目”を養っていきたいものです。大事な資産を投資するのですから。

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株式投資と携帯電話

2006年01月16日  投稿者 K : 09:37

個人投資家の株式売買に携帯が占める割合が高くなっています。

## 記事引用 ##
昨年、個人投資家の東・名・阪の株式3市場での売買代金は240兆円程度。ネット経由の注文が大半で、店頭での対面注文は60-70兆円と見られる。携帯電話はパソコン、対面に次ぐ株式売買の「第三の柱」に育っている。


これは驚くべきことではなく、当然の結果です。
昨年来、個人投資家が増えたと言いますが、それはネット取引の増加が大部分を占めていますし、
そのネット取引を行う人は比較的インターネットに壁を感じない人(=世代)且つ自由にある程度の金銭がある世代といったことを考えれば、
20代~40代のビジネスマンがそのある程度の比率を占めることが推測されます。
また、そのビジネスマンが日中働いているという生活パターンを考えると、携帯による売買が今後も増加してゆく流れは変わらないでしょう。
投資家の心理として、日中も自分の持ち株の株価が気になって仕方がない方も多いのではないでしょうか。(笑)


確かに、自分の持ち株の株価が気になるのは理解できますし、今後ももっと便利で手軽なサービスが出てくるでしょう。
但し、皆さんの大半は、日々の仕事が本業で、株式投資は副収入という方が殆どだと思います。
それが、自分の持ち株の値動きが気になって、本業の方が疎かになってしまっては本末転倒ですよね。
個人投資家の皆さんには『投資スタンス』をこれを機会に一度考えてみて頂きたいと思うのです。


日中に時間の取ることのできる方であれば、デイトレードを行うのも悪くはありません。
ただ日中、本業に時間を割いている方であれば、じっくりと企業研究を行い、当該企業の価値に対して投資して頂きたいと考えています。
これは弊社の投資スタンスに通じる姿勢です。

それはなぜでしょうか。

デイトレードのような「一時的な価値と現時点の株価の乖離を見極める取引」よりも、「当該企業のビジネス価値に対して投資する」事の方が、
リスク・コストを少なく、より大きなリターンを得ることができるのです。

その為には、当該企業の経済的価値を算出し、現在株価に対して割安なのか、割高なのかを判断する時間が必要なのです。
ということは、日々売買するような投資とはなりにくくなります。
『当該銘柄の買い時は、1年に2回か3回である』というようなことを言うアナリストもいます。

とはいえ、人間便利で実際に有用であれば、もちろんそれを使いますよね。米アップルコンピュータ社の『iPod』(アイポッド)のように、自分の好きな曲を何千曲と録音でき、音楽を至るところで聴きたいといった人間のの欲求を満たす商品は需要は絶対になくなりません。

その流れは抑えることはできませんし、どのように付き合うかを考えるべきです。
携帯が誕生して、便利になったけれど、その本質は相手とのコミュニケーションであるのと同様に、携帯での株取引は便利ですが、株式投資の本質は当該企業の価値判断が重要なのです。

今年も皆さんの金融リテラシーの向上の為に、本ブログにて『株式投資のヒント』を書いていきますので、今年もよろしくお願いしますね。

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『ソフトバンク(9984)』株式分割による株価上昇と美人投票

2005年12月28日  投稿者 K : 09:32



推奨銘柄 注目銘柄 投資顧問前回、ブログにて『株式投資は美人投票である』
というケインズの言葉を紹介しました。

■美人投票とは?

株式投資を美人コンテストに見立てたケインズ(1883-1946 イギリス 「雇用、利子および貨幣の一般理論」)の有名な言葉です。

これは、美人コンテストで、美人コンテストの優勝者に投票した人に抽選でプレゼントをあげるといった、投票者に何らかの利益が与えられるといった一定の条件をつけた場合、投票者は、自分の好みで投票を決めるよりも、投票者の多数が選びそうな人に投票するといった意味になります。

これを株式投資に置き換えると、
『この企業は四季報で大幅に上方修正が出たから、大量の買いが入るだろう』、『いいニュースがでた。これで、この株は大量の買いが入るだろう』
といった予想から自分もその他大勢に同調して、株を売買することを指します。(そんなに真面目に書くことでもないですね 笑)

株式市場においての株価形成プロセスは、需要と供給で決定されますから、個人がいいと思っても、市場(=多くの投資家)が割安で、今後の株価上昇が見込め、買いであるという判断が入らなければ、株価は上昇しません。
ですから、一義的には、『株式投資は美人投票である』というのも、株価推移について言い表している言葉と思います。

 

■『美人投票』に則った株式投資は正しいのか?

但し、その場合、その市場の流れに乗る必要があるのでしょうか?

私はそうは思いません。なぜかというと、それは風評に従い、投資をしているだけなのです。もちろん、短期的には成功するかもしれませんが、長期的な目で見ると、中身がないかもしれない美人を評価しているのですから、その分のリスクがともないます。

美人投票による投資は、『中身』=『企業価値による判断』が全く欠如しているのです。

 

■企業価値に対して投資するということ

やはり、中長期の株式投資を考えた場合、市場がその時点で評価しなくても、『いい企業は、いい企業』(=素晴らしいビジネスモデルをもってる企業は、今後株価上昇が見込める企業)なのです。

私たちは、企業価値という視点をまずもって、それに対して、株式投資をすべきなのです。

 

■ソフトバンクの株価

それでは、視点を代えて、最近のソフトバンクの株価を見てみると、2ヶ月で2倍に伸びていますね。

株式分割、直近利益の回復によるものと思われますが、それでは今の株価が妥当なのでしょうか。規模の観点から見ても、成長性を継続できる企業かを考えても、今の株価では疑問符が付きます。
(企業価値のない企業といっている訳ではありません。)

現在は、株価上昇が株価上昇を呼ぶ展開になってきてしまっています。今の株価では、本当に美人で才女な会社なのかは疑問ですね。
2ヶ月で2倍以上の価値になったのでしょうか?以前の50%も割安だったのでしょうか?少なくとも今の株価は割安とは言えません。

確かに、株式投資は美人投票の側面がありますが、堅実な株式投資を目指す方は美人投票にのる投資ではなく、その企業の本質を見抜く力を身に付けたいものです。 ソフトバンクは、本物の美人なのか、そうではないのか、今後のソフトバンクの株価に注目です。

 

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あなたは『What』で投資しますか?『Why』で投資しますか?

2005年12月26日  投稿者 K : 09:47


皆さんは株式投資を始めて何年になりますか?

 新聞では、個人投資家の増加や個人投資家
による売買高更新を伝えるニュースが日々
伝えられています。
ネット証券評議会で発表されている資料によると、40%以上が投資暦2年未満とのデータもあります。実際、仕事を通じて、最近株式投資を始められた方が多いという実感があります。

今日は私が常々、株式投資の初心者の方々に対して、考えてほしいと思っている『株式投資の考え方』について説明します。

 

■『注目銘柄 50』、『マル秘上昇株 100選』は正しいですか?

書店に入ると、株式相場の上昇、個人投資家の増加を受けて、いたるところ(専門誌でもないところでも!)で、『2006年に絶対上がる銘柄 XX』ですとか、『目からうろこのXXX』とか、面白い所では『上がるセレブ銘柄』なんて特集まで目につきます。皆さんもこのような売り文句が書かれた雑誌を手にしたことがあると思います。
私も、興味からこのような雑誌を手にして、どのような内容か確認します。皆さんがどのようにこのような雑誌を利用しているか分かりませんが、雑誌で推奨されている銘柄を読んで投資するような、『What』に固執した投資をしている「初心者」は負けることが多いのではないでしょうか。

確かに、『株式投資は美人投票である(ケインズ)』という側面もあります。マスに大量に流通している雑誌で紹介されているのですから、その影響を受けて、紹介された銘柄が買われ、上昇していくこともあります。また、『上方修正銘柄特集』などのように、一定の基準をもってランキングされているものは、単純に個人でスクリーニングする時間を省くことができるメリットもあります。

但し、紹介されている銘柄を鵜呑みにする『What』による株式投資は神頼みとあまり変わりません。
誰でも見ることができる情報に従って、株価が上がることを祈っているだけです。(そもそも、その情報は誰によって供給されたものですか?誰が得をするのですか?等も考える必要がありますね)

 

■『What』ではなく、『Why』による投資を!

それでは、どのような投資をすべきなのでしょうか。
私は、『What』ではなく、『Why』による投資をすべきと考えます。

『What』による投資が、雑誌の銘柄などの情報をそのまま鵜呑みにして、なぜその銘柄なのかを考えない投資方法だとしたら、
『Why』による投資とは、

1.なぜ株式投資するのか?(目的、目標)
2.なぜその銘柄なのか?(判断基準)

を考えた投資です。

■なぜ株式投資するのか?(目的、目標)

まず、なぜ株式投資をするのかですが、マンション購入のため、老後の蓄えとして資産形成をしたいなど、人それぞれですし、その為にはどのくらいの利益があればいいのかを考えましょう。

例えば、年間30%の利益を上げよう、という意識を持つことによって、株式投資に対して積極的に学ぶことができるようになりますし、目的が達成することができない場合は反省をすることもできます。

皆さんも経験があると思いますが、試験などで、目標の点数にいかなかった場合には、どこがウィークポイントなのかを気付く”キッカケ”としていたのではないでしょうか。私も個人として株式投資をしていた時は、目標が達成できなかったときは、自分の投資方法をよく見直しました。ですから、目標、目的を持つことは自分を省みる意味でも大変大切なことです。

■なぜその銘柄なのか?(判断基準)

次に、なぜその銘柄なのかを考えることの重要性についてです。
なぜかというと、雑誌で紹介された銘柄をそのまま鵜呑みにすることは、結果だけを見て喜んだり、悲しんだりしているだけです。そこから、次の投資への解決策は見出せませんし、なんの成長もありません。

成長性が○○、競合他社と比べて収益性○○であるからなど、なぜその銘柄なのか?を考えて、書き留めておくと、次への自分なりの投資判断の良し悪しが分かってきます。もちろん株式投資はリスクがありますから、投資銘柄が値下がりすることもあるでしょう。しかし、その経験から次への成長ができるわけです。『What』と『Why』を取り違えてしまうと、いつまでも本質的なことが理解できません。

私見ですが、個人投資家の皆さんにこのような心構えで株式投資を行って欲しいですね。

宣伝になってしまいますが、
そうは言われても時間がないという個人投資家の皆様もいらっしゃると思います。そういうお客様に対して、お客様が銘柄選定する時間を短縮して頂く代わりに、弊社ではアナリストが日々の大半の時間を費やして選定した、銘柄を紹介する有料会員サービスを提供しています。

有料会員サービスで提供している『株式戦略レポート』では、できる限り『Why』が分かるような形で、ファンダメンタル、テクニカル、市場動向、ビジネスモデルについて解説した上で、推奨銘柄を紹介しています。

だって、自分の大切な財産を投資するのですから、どうしてその銘柄なのかを理解することは大切ですよね。


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株価評価のヒント(ROEを用いる時の注意点)

2005年12月14日  投稿者 K : 05:04

こんばんは。

株価評価のヒント(PEGレシオ)に続いて、今回はお馴染みの『ROE(株主資本利益率)』について です。

『なんだ、ROEか。知ってるよ。』という方も多いと思いますが、今回はROEについて計算式を分解して、それぞれ何を意味するのか?を詳細に解説しますので、新たな発見もあるかもしれませんから、一読してみて下さいね。

個人投資家の皆さんも銘柄を選ぶ時のスクリーニング条件として、ROEが○○%以上の企業という形でスクリーニングを行っている方も多いと思います。確かに、ROEは利益を株主資本で除したものですので、『株主の立場から投資した企業の収益性』を図る指標になります。
これが意味するところは、株主が100万円投資して、毎年20万円の利益が出たとすると、この企業は5年間で株主資本分の金額を回収し、その後は全てが株主の利益となり、黄金の卵を生む鶏になる訳です。
ということは、ROEの高い企業 = 投資対象として検討に値する企業 というのは概ね正しい判断だと思います。

但し、ROEが良い企業の銘柄を選ぶ場合にも注意が必要です。
それでは、『なぜ注意がひつようなのか』を考えて見ましょう。

ROEを計算式にすると、

ROE(%) = 当期純利益 / 株主資本 * 100 (%)

になります。ここで一つ考えて見ましょう。企業の資本構成とはなんでしょう。銀行借入れなどの他人資本と株主から集めた株主資本の合計ですよね。ということは、ROEでは他人資本であるが考慮されていません。
これは、企業が借入れを増やして、少ない株主資本(固定)で経営を行った場合、当期純利益が増え、結果として、ROEは大きくなってしまうことを示しています。数字のマジックに見えるかもしれませんが、
(A) 借入れ(1億円) 株主資本(1億円) 当期純利益(5000万円)
(B) 借入れ(なし) 株主資本(2億円) 当期純利益(5000万円)
の場合、ROEは (A)では、50% (B)では、25%になってしまいます。

他人資本(借入れ = 借金)を増やしていくと、おのずとROEは高い値がでてしまうのです。

それではどうすればいいのでしょうか?
一つの解としては、ROEを分解して見ることです。

ROE(%) = (当期純利益/売上高)*(売上高/総資本)*(総資本/自己資本)
        =  (売上高利益率) * (総資本回転率) * 財務レバレッジ
       = 収益性       * 効率性       * 安全性
 

上記のように分解することができました。
ROEは、『収益性』 と 『効率性』 と 『安全性』に分解して見ることができます。

財務レバレッジとは、負債を株主資本で除した負債比率のことで、どの程度負債を利用しているかを表しています。ですから、負債比率が高いということは、ROEを高める結果になりますが、同時に財務リスク(借金による経営)を増大させてしまうことになり、注意が必要です。

また、収益性、効率性はどの程度有効に資源(資本)を使っているかですから、高い値に越したことはありません。

では、この分解したROEをどのように、銘柄選びに結びつけるのか?

一つの解決方法としては、下記のようなスクリーニング方法を取るのも有効であると考えます。

例えば、同業種内で、
1 ROE 15%以上の企業を対象
2 同様に、収益性、 効率性、 安全性 も同時に表示させる
3 財務レバレッジ(=負債/株主資本) も同時に表示させる
でスクリーニングをかけてみて下さい。

そうすると、なぜROEが高いのかが垣間見えますよね。
ROEが同様に高いのに、財務レバレッジが他よりも高ければ、その企業は借入れに頼っている企業かもしれません。他方、同等のROEでも収益性、効率性が高ければ、その企業は”金の卵”かもしれません。

前回も申し上げましたが、この指標も日本上場企業約3700社からスクリーニングして、企業を絞り込み、その上で対象企業を研究する、といった具合で使ってくださいね。

その中には、ビジネスモデルに優れた企業があなたを待っているでしょう。


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株価評価のヒント(PEGレシオ)

2005年11月30日  投稿者 K : 00:00


はじめまして。

S.Wや半蔵が本ブログで書いている株式相場観やニュース、投資トピックに関する記事とは別の切り口で、『株式投資のヒント』として色々なトピックを中心に記事を書いていきたいと思います。

初心者の方にもできるだけ分かり易く解説していきますので、よろしくお願いしますね。
(経験豊富な個人投資家の皆さんはすでにご存知の内容かもしれませんが、再度株価指標を見直す機会として考えて下さい)

みなさんは、次に買う株を選ぶ時にどのような指標を使っているでしょうか?PER、PBR、ROE、ROA・・・などお馴染みの株価指標を合わせて使っていますよね。



第1回目は、株価評価指標の一つである『PEGレシオ』について解説します。

『PEGレシオ(Price Earnings to Growth
Ratio)』とは、IPO公開企業などの今後の成長が考えられる企業に対して、株価の割安、割高を判断する為の指標です。

PEGレシオは、1倍以下であれば、割安とみてよいでしょう。

計算式は
『 PEGレシオ = PER(倍)÷ 利益成長率 (%営業利益率など)』
です。



PER,利益成長率の2つのインプットから計算できますから、手軽に利用できますよね。

皆さんも新興市場の銘柄選定をボトムアップで行っているとき、PERやPBRなどの基本指標では判断がつかないといった経験をしたことがあるはずです。
新興市場の銘柄は、成長が見込める企業が多いですし、新しい産業分野でライバル企業が少なく、新しいビジネスモデルをもっている利益率が高い企業が多いのが特徴です。
反面、先行投資により利益がでるまでには至っておらず、収益から株価の割安さを判断するPERでは100倍以上になってしまうことも少なくありません。

それでは実際にどのように使用するか見てみましょう。

先日上場した【3754 エキサイト】を例として使用します。

PEGレシオ
= PER(86.12倍)/ 営業利益成長率 ( (1450 - 630)/630*100)
注:営業利益率は2年間を通した成長率
= 86.12 / 130
= 0.66

エキサイトのPEGレシオは 0.66となります。


一方、【4689 ヤフー】のPEGレシオはどうでしょう。(06.3の株式分割は考慮していません)

PEGレシオ = 121.60倍 / (103000 - 60187)/60187*100 )
= 121.60 / 71.1
= 1.7

この結果から エキサイトの方がヤフーよりも割安であるということが分かります。
PERが86.12倍という数値のみ見ると、割高な気がしますが、PEGレシオの視点で見るとかなり割安であることが分かりますよね。
(注意:このままの成長率で推移することが前提です。)

このように、急激な成長が見込まれる企業に対してはPEGレシオは非常に有効な指標になるのです。
PERだけを見て割安、割高を判断していると、『将来の成長銘柄』を見逃してしまうのです。

お分かり頂けたでしょうか。


最後に、本指標を使用する際には下記事項に注意して下さい。

・実際にその企業(もしくはアナリスト)が提供する成長率が達成できるのか、持続するのか?
通常2年、3年と30%以上の成長率を維持できるのは稀です。
これは当該企業の属する産業の成熟度(ライバル企業登場による利益率の低下など)、新技術登場による当該企業の衰退(新規産業では技術革新によって急激に衰退することがあります)など不確定な要素によって変化しますので、50%以上の成長性企業には特に注意が必要です。成長率を幾分か割り引いて計算するのも一つの方法でしょう。

・予想利益が正当なものか?
企業によっては予想利益を高めに出して、下方修正を頻発する企業かどうかの確認が必要です。

・計算に使用した総発行株式数は適当か?
PEGレシオではPERを一つのファクターとして使用していますから、転換社債などによって一株益が少なくなる場合は注意が必要です。


もちろん株式投資の基本は、投資する産業の成長性、当該企業のビジネスモデル(収益モデル)は秀逸かを見極めた上で投資することです。
時間のない個人投資家のみなさんは、PEGレシオのような指標を元にスクリーニングし、その内、上位何社かに絞って企業分析し、投資するのも効率的な投資方法といえるでしょう。


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