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株価評価のヒント(PEGレシオ)

2005年11月30日 投稿者 K : 2005年11月30日 00:00


はじめまして。

S.Wや半蔵が本ブログで書いている株式相場観やニュース、投資トピックに関する記事とは別の切り口で、『株式投資のヒント』として色々なトピックを中心に記事を書いていきたいと思います。

初心者の方にもできるだけ分かり易く解説していきますので、よろしくお願いしますね。
(経験豊富な個人投資家の皆さんはすでにご存知の内容かもしれませんが、再度株価指標を見直す機会として考えて下さい)

みなさんは、次に買う株を選ぶ時にどのような指標を使っているでしょうか?PER、PBR、ROE、ROA・・・などお馴染みの株価指標を合わせて使っていますよね。



第1回目は、株価評価指標の一つである『PEGレシオ』について解説します。

『PEGレシオ(Price Earnings to Growth
Ratio)』とは、IPO公開企業などの今後の成長が考えられる企業に対して、株価の割安、割高を判断する為の指標です。

PEGレシオは、1倍以下であれば、割安とみてよいでしょう。

計算式は
『 PEGレシオ = PER(倍)÷ 利益成長率 (%営業利益率など)』
です。



PER,利益成長率の2つのインプットから計算できますから、手軽に利用できますよね。

皆さんも新興市場の銘柄選定をボトムアップで行っているとき、PERやPBRなどの基本指標では判断がつかないといった経験をしたことがあるはずです。
新興市場の銘柄は、成長が見込める企業が多いですし、新しい産業分野でライバル企業が少なく、新しいビジネスモデルをもっている利益率が高い企業が多いのが特徴です。
反面、先行投資により利益がでるまでには至っておらず、収益から株価の割安さを判断するPERでは100倍以上になってしまうことも少なくありません。

それでは実際にどのように使用するか見てみましょう。

先日上場した【3754 エキサイト】を例として使用します。

PEGレシオ
= PER(86.12倍)/ 営業利益成長率 ( (1450 - 630)/630*100)
注:営業利益率は2年間を通した成長率
= 86.12 / 130
= 0.66

エキサイトのPEGレシオは 0.66となります。


一方、【4689 ヤフー】のPEGレシオはどうでしょう。(06.3の株式分割は考慮していません)

PEGレシオ = 121.60倍 / (103000 - 60187)/60187*100 )
= 121.60 / 71.1
= 1.7

この結果から エキサイトの方がヤフーよりも割安であるということが分かります。
PERが86.12倍という数値のみ見ると、割高な気がしますが、PEGレシオの視点で見るとかなり割安であることが分かりますよね。
(注意:このままの成長率で推移することが前提です。)

このように、急激な成長が見込まれる企業に対してはPEGレシオは非常に有効な指標になるのです。
PERだけを見て割安、割高を判断していると、『将来の成長銘柄』を見逃してしまうのです。

お分かり頂けたでしょうか。


最後に、本指標を使用する際には下記事項に注意して下さい。

・実際にその企業(もしくはアナリスト)が提供する成長率が達成できるのか、持続するのか?
通常2年、3年と30%以上の成長率を維持できるのは稀です。
これは当該企業の属する産業の成熟度(ライバル企業登場による利益率の低下など)、新技術登場による当該企業の衰退(新規産業では技術革新によって急激に衰退することがあります)など不確定な要素によって変化しますので、50%以上の成長性企業には特に注意が必要です。成長率を幾分か割り引いて計算するのも一つの方法でしょう。

・予想利益が正当なものか?
企業によっては予想利益を高めに出して、下方修正を頻発する企業かどうかの確認が必要です。

・計算に使用した総発行株式数は適当か?
PEGレシオではPERを一つのファクターとして使用していますから、転換社債などによって一株益が少なくなる場合は注意が必要です。


もちろん株式投資の基本は、投資する産業の成長性、当該企業のビジネスモデル(収益モデル)は秀逸かを見極めた上で投資することです。
時間のない個人投資家のみなさんは、PEGレシオのような指標を元にスクリーニングし、その内、上位何社かに絞って企業分析し、投資するのも効率的な投資方法といえるでしょう。


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