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インドの『お金』の話

2014年05月23日 投稿者 半蔵 : 2014年05月23日 14:13

私事で恐縮であるが、先日、バケーションを取得してインドの方に行ってきた。
弊社の名前の由来となっている、ドイツ他のヨーロッパ地域へは出かけることも多いが、インドは初めてであった。
行くとなると、周りから、『インド経済の先鋒であるグルがオン地区を見て来い』などといった『半ば指令』が出る。
当然そこにも行ったのだが、そもそもお金の使われ方が興味深かったので、ご紹介したい。

■壮絶なババ抜き?
インドはまだまだ衛生面で日本基準とは言い難い。
環境に対しても、ゴミを平気でポイ捨てする。
ペットボトルなども走行中の列車の窓からどんどん捨てる。お蔭で線路周辺はゴミだらけだ。

にも拘わらず、彼らインド人はお札にだけは執着をみせる。
とは言っても、ボールペンで何か書かれたりしている紙幣を見るのはしょっちゅうだ。ただし、少し破れていたり、それをセロハンテープで固定していたりすると、即座に突き返してくる。

『他にこだわるべき所はたくさんあるだろ!』と思ってしまう瞬間である。
そもそも、そういうセロハンテープで修正されたお札はATMから平気で出てくるのである。当然、流通に支障はないと我々は考える。
しかし、現実的には使用を拒否されるようになるとポケット(欧米諸国以外の国を旅行するときは、私は財布を持たない)の中はセロハンテープ紙幣で一杯になる。

結果、当然の自衛策としてドサクサに紛れてセロハンテープ紙幣を使用するという行為に出る。
首尾よく受け取ってくれると「しめしめ」と嬉しくなる。
慣れると、ゲーム感覚で少し面白くなってくるから不思議だ。
言わばインド人全員で壮絶なババ抜きをやっているようなものである。
ただ、そういう『慌てたシチュエーション』でお金を使用する場合、先方もセロハンテープ紙幣を釣銭に交ぜて返してくる可能性があるので油断ならない。

それだけではない、釣銭をごまかすのもしょっちゅうだ。

空港のプリペイドタクシーの料金支払いにおいても釣銭が100ルピー不足していたので不足すると、「ミステイク」と言われた。
しかしガイドブックには『ここの窓口はしょっちゅう釣銭をごまかしているので有名』だと記載されている。

某世界遺産のチケット窓口に至っては、250ルピーの釣銭を返却する際、敢えて100ルピー札2枚を私の前で印象付けた後、釣銭を返却してきたが、やはり100ルピー不足していた。因みに残りの50ルピー紙幣も窓口から見えているが、わざわざ10ルピー5枚にして紛れ込みやすいようにするという手の入れようだ。
ここまで来ると手品を見せられているようで呆れてしまう。

■センスある一面も
今回の旅行中には出会わなかったが、『0ルピー紙幣』なるものも存在する。
もっともこれはNGO組織が作ったジョーク紙幣であるが、汚職が蔓延するインドにおいて、露骨に『No』を言うのではなく、この0ルピー紙幣を渡して拒否の意を示すというものである。
非暴力・不服従らしいスマートなやり方だと感心させられる。
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インド経済は、様々な問題を抱えながらも、前進している。
一部不動産市場に至っては、高級マンションの着工前から売り切れるほどである。
今後、弊社がターゲットとする日本株式市場においても、彼らの存在はますます無視できないものになってくるであろう。
彼らのお金に対する姿勢を垣間見たようで、非常に興味深かった。

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