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GoogleのYouTubeの買収と「情報大航海」プロジェクトから見たネット企業投資

2006年10月16日 投稿者 K : 2006年10月16日 09:05

株式投資のヒントインターネット検索のGoogleが先日、無料動画共有サイトのYouTubeを16億5000万ドルで買収することを発表しました。

16億5000万ドルというと、日本円で2000億円程度の金額であり、巨額な買収と言えます。(Googleの時価総額からするとほんの2%弱程度の規模ですが)

Googleの収益はご存知の通り、ほとんどを広告収入に依存しています。大きくは検索時に表示される広告及び提携サイトでマッチング表示した広告をクリックすることによって課金されます。ユーザアクセス数に比例して収益が伸びることになります。

上記を今回の買収に当てはめると、
①You Tubeはユーザが利用する価値があるサービスを提供しており、②ユーザが大いに利用するサイトであるということになります。(もちろん著作権問題のリスクもあるわけですが)

これの裏付けとして、ネットレーティング社の調査では米国では、776万人が訪問し、ネットユーザ(利用率)では5.4%にリーチしているといったものがあります。2000億円が安いか、高いかは議論が分かれるところですが、どれだけユーザが利用するサイトを確保できるかが生命線となっていると解釈できるでしょう。

一方で、Yahoo!のアクセス数に関して、今年3月、月間で331億ページビュー(PV)だったものが、半年後の9月で333億PVとわずか0.6%増にとどまったことが報告されており、日本においては検索サービス(広告サービス)の頭打ちが話題になりました。ネットでの検索サービスによる広告収入の増加率は鈍化の傾向にあり、SNSなどの優良な仕組み、もしくは優良なコンテンツ(優良コンテンツを提供する企業サイトへのアクセス数も増加の傾向)へのユーザがシフトしているとの見方もできます。

これから、ネット業界への投資を考えた場合、ユーザが利用する価値のある仕組み、コンテンツを持つ企業へ資金が流れることを念頭に置くべきでしょう。

■「日の丸」検索エンジン?「情報大航海」プロジェクトとは?

経済産業省が後押しする形で今年の6月「次世代検索エンジン」の共同開発プロジェクトが発足しました。これは、Googleに対抗していく国家プロジェクトとしての画像、動画、音声などの検索技術の向上、実現を目指した取り組みで、「CEATEC(シーテック)JAPAN」で最新の検索技術が公開されています。

参加企業も大手の
伊藤忠商事株式会社
エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社
株式会社ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
株式会社電通
株式会社東京放送
株式会社東芝
株式会社博報堂

などが参画しています。このプロジェクトへの官民の総投資額は今後3年間で約300億円に上る見込みで、07年度予算の概算要求に50億円を計上しており、まさに国家プロジェクトの様相を呈しています。(Googleの半期の研究開発費 5億3000万ドルに比べると少ないですが)

ソフトバンク、楽天、サイバーエージェントなどネット第1世代が大企業となり、Web2.0企業の代表と言われるMixiなどがもて囃されていますが今後の流れを考える意味で、上記の二つのニュースはヒントになると考えています。

今後のネット関連企業の大きな投資のテーマとして 、コンテンツ提供企業ではなく、優良なコンテンツの提供の仕組みを持った企業及び画像、動画検索関連企業が注目されてくるのではないでしょうか。

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