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2006年のIT投資動向は意外と低調?
2006年08月04日 投稿者 K : 2006年08月04日 03:18
ご無沙汰しておりました。Kです。IT専門調査会社 IDC JAPANから『2006年第1四半期国内製品別IT市場動向及び予測』がプレスリリースさ れました。
本調査によると、
2005年の国内IT市場規模は、前年比2.7%増の11兆6,563億円となった。2006年は2.2%増の11兆9,179億円といった予測を立てています。
この内訳を見ると、企業による投資に比べ、個人消費の増加がIT市場を牽引しています。
この点から言っても、景気の回復を窺い知ることができます。
一方で、企業のIT投資額の伸びはというと、3%台の成長と見られています。ここ3年の企業の設備投資の伸びが10%以上であることと比較すると穏やかな成長であることが分かります。
バブル期のIT投資成長率はこれよりもはるかに上回る成長性を見せていました。
これは企業の体力回復がまだ本調子ではないという事なのでしょうか。
バブル期のIT投資では、システム導入による業務効率性を上げ、顧客により高いサービスを提供しないと、競合企業に勝てないというIT業界の宣伝文句によってか、競合企業がシステム投資すると、他の競合企業でも同様のシステムを導入するといった事が多かったように思います。
一方で、現在のIT投資の内訳というと、『法令関係』など必要性が明確であるものに新規投資を行い、その他は既存のシステムの運用費に充て、投資額を下げる方向に流れが変わりつつあります。
これは、競合企業がどうこうといった物差しで見るより、システム導入してサービスレベルが上がるか-もっと言うとIT投資をすることによってそれ以上のリターンを見込むことができるかに投資の物差しが確実に変わって来ていることを示していると言えるでしょう。
例えば、ラーメン屋が投資を行うとして、他のラーメン屋が高価な会計システムを導入したとしたとしても、前者のラーメン屋も高価な会計システムを入れないでしょう。なぜなら収益をあげる”武器”はラーメンの味であったり、店の設備などであって、数店舗のラーメンチェーンであれば、市販で売っている数万円の会計ソフトで要件に足るのですから。
IT投資の成長率だけ見ると、一見企業の成長性を疑ってしまいたくなりますが、投資対象を見極め、投下資金に対するリターンを最大化するといった経営姿勢の変化を窺い知ることができるのです。
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