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明るくなった空を見ながら、思うこと

2005年06月25日 投稿者 S.W : 2005年06月25日 05:14

活発な比較考察の末、やっと、レポートが完成しました。
ちょっと今日は、今週ずっと私の脳裏にあったことを書きます。

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もう随分昔の話ですが、あるパーティーで出会った人の話です。
彼がいろいろと相場を語るので拝聴していましたが、どうも『相場は儲からない』と言いたいご様子。

そりゃ、儲からない人もいるでしょう。銘柄を分析し、テクニカルの視点からも調査し、狙い済ました銘柄が事故などの報道で売られる。。。。そんなこともあります。そんな時は、自信を持って損切りするだけです。
しかし、相場を否定すること、つまり資本市場を否定することは経済の発展を否定することでもあります。個人の経験で語れる枠ではないのです。

前置きが長くなりましたが、要は、どうして『失敗する時は、やり方がマズイのだろう』という発想に至らないのでしょうか?ということです。
特に要注意なのは、大手証券の営業と関係しているケースです。


彼らは、実に熱心です。お客様の利益の為ではなく、自分の営業成績の為に。たまーに、IPOの美味しい話を持ってきますが、結局は推奨銘柄を買えという話しかしない場合が殆どです。

出会った彼も営業マンの訪問を受けているようで、プロの人間と話をして決めているので問題ないと思っている様子。

私は黙って聞いていたのですが、もし貴方が彼と同じ立場にいたら、営業マンを投資のプロと信じる前に、一度『外務員試験』の問題を見てみることをお勧めします。
基本的事項とモラルの話が中心で、外務員だからと信じるに足る根拠とはなりえません。
『これだけで飯が喰えるなら、世の中なんて素晴らしいのでしょう!』と叫ぶと思います。
所詮、資格なので、当外務員の経験や人となりなどを入念にチェックして初めて投資のパートナーとして信じるに足ると考えるべきです。

彼は、売りつけられた銘柄(自己責任なので、『売りつけられた』という言葉はオカシイのですが)が不発に終わったので『担当を替えてきたのだが、それでも、、、』とまんざらではない様子で語っています。

違いますよ。。。

営業の人間は、(大手証券では)不正防止の為に一定の期間で配置換えを実施します。営業マンは配置換えが近づくと追い込みの為に味噌も糞も一緒に、売りつけようとするのです。そして営業の人間は輝かしい成績と共に新部署に異動し、新しい担当者が支店長と一緒に投資家に挨拶に行くのです。『成績が悪いので配置換えしました』と。

私は、そういう現場を何度も目撃しています。

営業の人間は『おべんちゃら』を使うので、ヨイショされた投資家はどうしても自分が偉い人間になったと考えがちです。こうなると、軌道修正は絶望的です。


もし、貴方も証券会社の営業マンを使っていて、私の言うことが嘘だと思うのなら、彼らの言うことを疑って聞いてみてください。
既に国内株を10銘柄以上持っているのに、国内株ファンドを勧めてきたり、すでに保有しているのと同種のファンドを勧めてきたらクロと思っていいです。

投資には『自己責任の原則』があります。これを理解していない方は資産の大小に関わらず投資の資格はありません。よって、残念ながら最終的に責められるのは投資家自身です。
『営業マンが勧めたから』ではなく、推奨の理由、ストーリィを完全に理解した上で判断を下してください。営業マンが判断を下すのではありません。どのような情報を提供できるかが、証券側の判断基準の主軸となるべきなのです。


私は、個人投資家から相談を持ちかけられ、その痛みきったポートフォリオを拝見すると、営業マンの良心の無さに怒りを憶えることも少なくありません。

勿論、中には優秀な方もいらっしゃるのですが、残念ながら、そうでない方も同じくらい多いのが現実です。


私がこんなことを書いたのは、今週も同じような状況に遭遇したからです。


とてもやるせない気持ちになりました。

注:IPO銘柄の斡旋は証券取引法で禁止されています。


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