このような全体的な調整局面の後、どの業種がいち早く回復するかを考え、サイクルを見抜くことでより効率的に資金を増やすことができます。
以下は昨年の5月17日~6月25日の間の騰貴率の多い順です。回復局面ではどのセクターがリード役となるのかの参考にしてください。
勿論、昨年とは状況が異なるのでこの表のようになるとは言えません。
特に去年の海運の強さは中国の経済発展に依拠したものである為、先行きの不透明感を増した現状では同様の強さを発揮できない可能性は高いです。
とはいえ、一般に金融に始まりハイテク、インフラに景気の波が移っていくことが多いです。
特に現状のように景気が後退局面なのか成長の踊り場なのか判らない状態の時は、いきおい成長産業であるハイテクに資金が流れがちです。
この辺の情報も、業種選択の際には気をつけていただきたいところです。
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業種別騰貴率(業種別日経平均)
2004年5月17日-6月25日
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輸送用機器 30.80%
鉄鋼 28.30%
海運 20.40%
保険 20.40%
銀行 18.20%
建設 18.20%
造船 16.80%
陸運 16.80%
倉庫 16.30%
非鉄 15.80%
小売り 15.60%
その他金融 15.50%
ゴム 15.50%
証券 15.40%
石油 14.60%
機械 14.30%
水産 13.80%
繊維 12.60%
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空輸 12.40%
サービス 12.40%
食品 12.20%
不動産 11.80%
その他製造 11.20%
医薬品 11.10%
自動車 11.00%
窯業 11.00%
紙・パルプ 10.50%
商社 10.00%
鉱業 9.80%
化学 8.70%
通信 8.20%
電気機器 7.90%
鉄道・バス 7.50%
精密 6.10%
電力 5.70%
ガス 1.00%
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勿論、株価が需給で決定される以上、短期売買スタイルの場合は産業の知識なんて不要な場合もあります。
しかし、安心して『保有』するには、必ず概要を押さえる必要があります。
何、そんな難しいことではありません。
例えば、『鉄鋼』セクターだと、電炉中心なのか高炉中心なのかで事情が変わってきます。高級な鋼を作る高炉では、日本独自の技術が活きるので需要は安定しています。
一方、低コストの電炉中心だと中国の特需が萎めばその影響を強く受けるでしょう。
『不動産』ですとマンション等の企画・販売と土地を仕入れての総合不動産では事情が異なってきます。
東証全体の『不動産PER』は16.3ですが、企画・販売でPER15倍は割安とは言えません。
東証の銘柄だと、以下から業種別のPERが取得できます。
(http://www.tse.or.jp/data/per-pbr/index.html)
安易に業種内PERより低い値だから割安と考えるのは危険なのです。
要は、単純な業種セクターでなくて、ある意味もっと細分化して捉える必要があるということです。
東証の区分だと33ですが、プロは100くらいの区分を別に使用しています。
皆さんに同じ事を最初から要求するわけではありません。
ただし、ある程度、投資する候補が決まったなら、その業種については細分化して調査することを忘れないで下さい。
業績予想を見るには以下の視点から見ましょう。
1.伸び率
2.理由
3.確度
以上、3点です。
]]>伸び率ですから、前期の数値が極端に低い場合、例えば前期の一株益が1円の時、当期末の予想が2円だと伸び率は100%になってしまいますね。
これでは誤解を産みますから、注意が必要です。
過去5年以内に当期末予想よりも高い数値が叩き出されていて、地合いが当時と同等以下の場合は、過去の高値を超える可能性は低いです。
また、伸び率も一定な銘柄よりも来期予想の方が当期末予想よりも高い場合の方(伸び率が加速している)が期待できます。
]]>M&Aにより、売上げが拡大したり、また『のれん代』償却により最終益が圧迫されていたのが、償却終了により正常な状態に戻る場合は期待できます。
逆に、特別利益のように一過性のものによる利益の伸びによるインパクトが大きい場合は、たとえ経常収支の伸びが安定して増加していても、株価は既に高止まりの可能性があるので控えた方が良いと思われます。
次に、その伸びが革新性のあるビジネスモデルによって構築されているものを選ぶべきです。
弊社でも紹介した、(ストックオプションで下手打つ前の)インボイスや、マクロミルなどのように、特殊なものが狙い目です。
特に、有料高速道路モデル(『ちゃりんちゃりんモデル』と個人投資家では呼ばれているようですが)のように、一度シェアを確保すると安定した収入を期待できるものであれば尚良いでしょう。
3月レポート銘柄クリーク&リバーは人の派遣に特殊性がありましたし、現在でも、独自のビジネスモデルを構築している会社はあります。
また、テーマ選択に自信があるなら、比較的短期の運用になりますが、テーマを追ってもいいでしょう。
高齢化テーマなどのスパンの長いものから、村上さんのところで話題になった含み資産銘柄(よみうりランドなど)のように期間が短かったテーマもあります。
ある程度パワフルな個人投資家向けですが、狙ってみるのも良いでしょう。
過去の中期計画や財務諸表を調べ、どれだけ『有言実行』なのかを確認しましょう。
たまにトンデモナイ大風呂敷を広げて株主をシラけさせたりする企業もあります。
例えば昔のJストリームはその典型でしたが、最近は懲りたのか慎重な発言になりつつあります。(以前と比較して、という意味ですが。)
また、監査法人を変更した場合は、取り敢えず避けた方が無難です。
特にメジャーからマイナーな監査法人への変更は難ありと見ていいでしょう。
メジャーなものへの変更であっても、すぐに監査の精度はあがるものでもありませんので、注意は必要です。
監査が通らない、もしくは特記事項をつけることを望まれた場合に、監査法人を企業が替えるのはよくある手です。
勿論、企業が提出した数字を基に監査をするので、その数字が悪意を持って変更されていた場合、原則として監査側に責任はありません。
そういう意味で、どこが監査しても問題ないという意見もあります。
しかし、変更される可能性を嗅ぎ取るのはある程度のつきあいがないと厳しいというのも事実であり、監査側の本音である以上、ある程度の期間を一定監査法人により監査されているものを選ぶに如くはないと思います。
]]>ゼクー(旧:ワイアリーバ)、ダイナシティ、丸石(現:サンライズ)など言うに及ばず、理不尽なMSCBを発行するなど事実上、株主を喰いものにしたことのある企業の株は、投資としては敬遠すべきです。(投機と割切られる方は別です)
こういう悪い噂は、噂となるだけで事実上、株価に影響を与えます。
また、VCの中にはかなり手荒な手技を使うところもあります。
判らなければプロに聞いてみることもいいでしょう。
株価対策に無関心な企業も問題ですが、必死すぎる企業もまた同じ。
『過ぎたるは及ばざるが如し』です。
去年の1月頃、インボイスを推奨しましたが、過度の配当性向を出す頃から評価は下がり始めました。
会員の皆様は確り取れたと思いますが。
逆に、コンプライアンス遵守を掲げる企業は、結局最終的に伸びるものです。
利益確定していないレポート銘柄はここには書けないのですが、ブログでS.Wなどが紹介している企業の内、『構造計画研究所』は厚木ふれあいパークでの瑕疵を自ら全額補填してますし、『ゼンテック・テクノロジー』はインテグレックス社の『社会的責任投資調査』で1位となっています。
ゼンテックは紹介時(2ヶ月程前)より約50%上昇して36,1000(終値)を付けていますね。
(今期、彼がブログで紹介している銘柄は全部、利が乗っています。)
コンプライアンスとは意味が異なりますが、企業が『理念』を持っていることも重要です。
結局、企業活動を通して何がしたいのかという所です。
経営者トップのインタビューなどに目を通して、言動が一致しているかも確認しましょう。
よく、『株主資本比率30%以上』などと言われていますが、業種によってその平均が異なる場合(例:銀行)がありますので鵜呑みにされないように。
あくまでも業界平均と比較するのが重要です。
株主資本比率の他、流動比率・負債比率は少なくとも確認してください。
負債額が大きいところは、金利の上昇の影響を強く受けますので、金利動向を加味してください。
同様に、海外調達比率が高い企業は為替レートを何円と想定しているかも重要です。
最近は、『格付速報』などの書物によって財務を簡単にチェックできるようになりました。
只、この場合でも売上げが第4四半期に集中する企業などで、且つ、3月決算でない企業は比較しずらい点もあるので要注意です。
尚、このような財務分析は企業が発表する数字に基づいているので、そもそも捏造された数字では話になりません。
ここは、企業コンプライアンスを確認していくしかありません。
『価格』が最後に来ることに驚かれる方もいらっしゃるかも知れませんが、SB的投資スタイルではこれが最後です。
これまでのポイントを確認した時点で(勿論、時間の許す限り調べてください)、候補に残っている企業はあなたが所有したい企業である筈です。
あとは、いくらで買うかということです。
『株を買う時は香水を買う感覚でなく、食料品を買う感覚で買え』とグレアムも指摘しています。
1円でも安く買うことが肝要です。
私達は株を加工することはできません。買ったものを、そのままの形で売るのですから、仕入れを1円でも安くすることに徹底的に拘ってください。
それと、売るタイミングを計ることしか私達に出来ることはありません。
一般的にはPER等の指標を参照にすることになると思います。
私達は将来価値を現在に割引いた価格を求めます。
会員になっていただけると無料でダウンロードできる資料に当該方法の説明があるので、会員の方でもし未だ参照されていない方はこの機会に併せて確認してみてください。
PERは最終利益(一株益)で判断するので特損や特益によるブレは調整してください。勿論、ここでも業界内で比較してください。
あなたは既に成長する業界を選択している筈なので、当該業界内で比較するのです。
実は、長期の投資スタイルでは『何を買うか』こそが重要であって、『いつ買うか』ということはさしたる問題ではないという意見もあります。『欲しい株があったら成買いで即座に買え』とはバフェットの言葉です。
これとは別の視点で、ランダムウォーク理論に立っても、全ての情報は『織込み済み』であって『いつ買うか』ということは無駄な議論ということになります。
因みに、シュルツ・ベルガーはランダムウォーク理論を支持しません。
『市場が完全である』ということは、それを構成する人間が完全であると言っている事と同義ですからね。
では、シュルツ・ベルガーは『いつ買うか』という問題をどのように考えているかと言うと、『非常に大事』と考えています。
何故ならば、投資というのは収益率でこそ評価されるべきであり、収益率を測る上での仕入れ値は非常に重要な要素となるからです。
例えば、100円 → 80円 → 120円と値動きをする銘柄Xがあったとしましょう。
Aさんは100円で買い、120円で売りました。この時の収益率は120%です。
Bさんは80円で買い、120円で売りました。この時の収益率は150%になります。
「ふーん。例えば、両者とも1万円をその銘柄に投資したら、12000円と15000円の差だから、3000円ちがうだけか」と思うかもしれませんね。
それでは、この後、Aさん、Bさんともここで儲けた全額を他の銘柄に投資し、銘柄Xと同様な値動きをしたとします。そして、このような投資を5回繰り返したとします。
その結果は以下のようになります。
5回繰り返すと、AさんとBさんは資産の差が3倍になってしまいました。
このように、期間収益率の差は時間が経てば経つほど、資産の差となってしまうのです。
ですから、いつ買うか(買値)の価格は非常に重要になってくる訳です。
ご理解頂けましたでしょうか。
■権利日を確認しよう
配当はともかく、優待目当てで権利日前は高騰する場合があります。
例えばコナミ社(9766)は優待が人気ソフトの『メタルギア・ソリッド』であったりするわけですが、市場価格と比較して良い優待であっても、本人がゲーム機を持っていなかったりすると意味がありません。これは最低限確認してください。
■分轄発表後の噴き値で買わない
分轄するべくして分轄する株は、既に株価に期待が織り込まれています。
特に高値のIPO銘柄は早晩分轄を発表することが予想されるのでその分、織り込まれやすくなっています。 直近ではアビックス(7836)やアスカネット(2438)にその傾向が見て取れます。
(注:IPO銘柄投資を否定するものではありません。)
■『麦藁帽子は・・・』を参考にする
以前にS.Wが弊社のブログで紹介した記事
(http://sb-blog.com/archives/02_/index.html#a000061)に見られるムーンバット(8115)ではないですが、サマーストックと言われるような季節銘柄は確実に存在しますので、慌てて高値で掴むことのないように お願い致します。
この他にも、直近の激しい値動きについて、それが水準訂正の初期段階にあるのか、それとも噴き値で終わるのか、プロでも判断が難しいものがあります。直近のニュースを契機とした値動きの場合、ニュースの質によってある程度の展開は予想できますが、割安で放置されていた銘柄の場合は注意が必要です。
ご理解頂けたでしょうか。
]]>本当に割安な株というのは、基本的に何時買っても問題ありません。
オニールも成行買いを推奨しています。
しかし、一方で1円でも安く買うことの重要性も主張しています。
(まぁ、矛盾しているわけですが)
テクニカルの勉強といっても、何もハイレベルなことを勉強する必要はありません。
まずはチャート、そして幾つかの指標を押さえておくだけで十分です。
よく、『上髭は売りのサイン』とか、『Wトップは売りのサイン』といわれます。
実際そういうケースは多いです。
上髭は、上昇圧力の弱さを、Wトップは出来高の膨らみも伴い上値の重さを意味しますが、それがすぐに株価の下落に帰結するかというと別の次元だと考えます。
業績修正などと異なり、企業価値の変動などとは無縁ですからね。
株価が下がる理由は畢竟一つしかありません。
『皆が売るから』です。
『上髭は売りのサイン』や『Wトップは売りのサイン』を信じる人は、売ります。
これが結果として株価を下落させる訳です。
テクニカルに関して、有名なものを押さえておくだけで十分な理由はここにあります。
仮に逆ウォッチ曲線を極めても、皆がそれを意識しなければ、逆ウォッチは崩れます。
つまり、こういうことです。
ポイント1:影響力のあるものだけ押さえましょう。
また、チャート分析が多分に心理的な要素を含むことから、筋が介入している場合は、彼らに利用されるということになります。
なが多(9822)のチャートをみてください。
参考:(http://smartchart.nikkei.co.jp/smartchart.cfr?scode=9822.9)
6月から8月にかけて徐々に上昇していますが、見事なまでの上髭オンパレード
です。
低位株は筋が跳梁跋扈していますが、見事なチャート形成と言えます。
また10月20日の十字線も、チャートではトレンド転換のサインと見られますが翌日は力強く上昇しています。
出来高からみて利益確定したプレーヤと株価急上昇(お祭り)を期待した新規プレーやとの交替が進んだと見るべきでしょう。
チャート信奉者では勝てない相場です。
ポイント2:筋介入銘柄にチャート分析は危険。
とりあえずこの前提を押さえていただいて、次回から上昇・下降のサインを分析してみましょう。
]]>■例:オプト(2389)
http://sb-blog.com/img/2389_penant.bmp
出来高が多い価格帯というのは、そこでチャートが弾かれる可能性が高いことを意味します。
要は山の峰のような状況です。
『出来高が多い』=『その価格帯で購入したホルダーが多い』と考えると、損をしてまで売込もうというプレーヤーはいません。
また、殆どのプレーヤーがキャピタルゲインを狙う短期相場(テクニカルは概して短期相場向けですから)では、利益のない内から
手放す動機もありません。出来高の多いラインで下げが喰い止る一因です。
しかし、一旦、その出来高のラインを下回るトレンドが明確になると、プラーヤーは損切りを急ぎます。
抵抗線を割ると一気に株価が下落する一因です。
このように、心理的なもので出来高の抵抗線は形成されます。
では、『三角保ち合い』からの上離れ/下離れをどのように予測するか?
有効な手段として、『他のテクニカル指標・チャート理論の組合わせ』があります。
25日移動平均線がサポートに近づいている状況などでは、上離れの可能性が非常に高い状況です。
そもそも『三角保ち合い』が膠着状態(=きっかけ待ち)ですから、このような事前に予測できるサイン(25日線がサポートにつく)などは
注意深く見ていきたいところです。
もう一つは、やはり業績です。テクニカルではないのですが、膠着状態を打破するにはちょっとしたニュースで十分です。
業績が良いと言うのは、長期でホールドできるので、エントリに対して心理的抵抗も少なくてすみます。
以上のように、比較的狙いやすいのが三角保ち合いです。
『業績を読むのが面倒だ』という方でも、損切りを的確に実施できるなら、ある程度の成功を納めるのが容易なチャートです。
短期志向の方は是非とも押さえておきたい所ですね。